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三江線の旅 その1 ~三江線とは~ [2017年 お盆休みの旅]

2017年8月16日


 


今回のお盆休みの放浪の旅は久しぶりに西に向かいました。
最大の目的は、来年春に廃線になることが決定してしまった三江線に乗車すること。
丸1日三江線を楽しんできました。
まずは、三江線の紹介をしたいと思います。
 
 
【三江線とは】

三江線(さんこうせん)は、島根県江津市の江津駅から広島県三次市の三次駅に至る西日本旅客鉄道(JR西日本)の鉄道路線(地方交通線)です。

ほぼ全線が中国地方最大の川「江の川(ごうのかわ)」と並行して走っているため、別名「江の川鉄道」とも呼ばれ、まさに江の川とともに旅をする鉄道路線です。
川沿いの美しい風景に心癒されます。


 三江線.jpg
(出典:Twitter鈴木華子


また沿線には桜の名所も多く、花見の時期には車窓から咲き乱れる桜を楽しむこともできます

kawado_sakura1.jpg
(出典:ジモトのココロ「さよなら、JR三江線。日本の美しいローカル線がまたひとつ廃線へ」

石州瓦の屋根が並ぶ集落、懐かしい日本の田舎の風景の中をディーゼルエンジンの気動車がガタゴトと進みます。


三江線は江の川の水運を鉄道に切り替えるため、そして三次で芸備線に接続して広島と結ぶ「陰陽連絡ルート」を形成するために建設されました。
三江線は三つの区間に分けることができます


 


三江線路線図r4.jpg
クリックすると拡大されます



三江北線

三江線が全通する以前は三江北線と呼ばれていた、江津駅から浜原駅までの三江線では最も古い区間。
1930年~1937年にかけて開通しました。
この区間は戦前に開通した区間なので、戦前に建てられた古い木造駅舎が数多く現存しています。


三江南線

こちらも戦前の1936年に工事に着工しましたが、戦争により工事が中断して、三次駅から口羽駅までは、戦後の1955年~1963年にかけて開通しました。
三江線が全通する以前は三江南線と呼ばれていました。

新線区間


1975年に浜原駅から口羽駅間が開通し、三江北線の最初の開業から半世紀近い年月を経て三江線はやっと全通しました。
この時、三江北線と南線を編入して江津駅 - 三次駅間を三江線と改称しました。

三江北線、南線が建設された頃は現在よりトンネルや鉄橋の敷設技術が発展しておらず、線路は江の川に沿って狭い平地を這うように敷設されました。
そのため、この区間は急カーブや崖っぷちを通る区間が多く、時速30キロの徐行区間がたびたび続きます。
新線区間は日本鉄道建設公団が高規格で直線的に建設した為、トンネルや鉄橋が多く、カーブも穏やか。
そのため、この区間では急激にスピードがアップします。

最高速度:

江津駅 - 浜原駅間 65km/h[10](旧三江北線)
浜原駅 - 口羽駅間 85km/h[10](後年鉄道公団が建設した区間なので、最高速度が高い)
口羽駅 - 三次駅間 65km/h[10](旧三江南線)




【三江線の廃止】


中国山地を貫いて流れる江の川は、山陽地方と山陰地方を結ぶ水運の要として発達しました。
三江線が全線開通して、江の川の水運が鉄道にシフトしたため、沿線の地域は一時的には活性化されました。
しかし、三江北線が最初に開業してから全線開業までに45年もかかり、その間にクルマ社会がやってきてしまっていました。

江の川は「への時」に大きく迂回する形で中国山地を貫いて日本海へと流れています。
この江の川に沿って走る三江線も同じルートをたどることになります。
その結果、直線距離にして60km足らずの江津市と三次市の間を、三江線は全線距離108km、3時間以上かけて走っています。

沿線地域の過疎化が進み、更にバスやマイカーに客足を奪われた結果、三江線の輸送密度(平均通過数量)は、JRの全路線中最下位となってしまいました。
実は、全通前の1968年に国鉄諮問委員会が廃止すべき路線として提出した赤字83線にも既に三江南・北線両方ともリストアップされていました。

風光明媚な車窓からの景色を楽しませてくれる江の川ですが、この川は暴れ川としても有名で、度々大きな洪水を引き起こしてきました。
江の川に沿って走る三江線も度々自然災害による不通に見舞われています。
三江線の歴史は自然災害との戦いの歴史だったと言えるかもしれません。
しかし三江線はその都度不死鳥の如く復活を遂げてきました。

04.jpg
(出典:ぶらり三江線WEB


そんな三江線も過疎化とモータリゼーションの波には打ち勝つことができず、JR西日本は来年の4月1日に三江線を廃止することを決定しました(最終運航日は3月31日)。




【三江線を楽しむ】



三江線は、その区間のほとんどを江の川に沿って走ります。
そのため三江線に乗るときに気にかけておきたいのが、座席のポジショニング。
江の川の車窓をよりたくさん楽しめるのは江津駅から三次駅にに向かう列車だと左側、反対に三次駅から江津駅に向かう列車だと右側となります。
途中、何回か江の川を渡って反対側に行くこともありますが、ほぼ8割方は上記の方向に江の川が流れています。

P8160566.JPG

三江線は運行本数が非常に少ないのも特徴のローカル線です。
途中で下車してどこかに立ち寄ろうとすると、場合によっては次の列車まで10時間近くも間が空く時間帯などもあり、攻略は簡単ではありません。
また沿線に大きなホテルや温泉街があるわけでもなく、途中での宿泊もそう簡単ではありません。
駅によっては周辺に店や飲料水の自動販売機はおろか、民家すら無い所もあります。
三江線の攻略には事前の下調べが大切になってくると思います。

次は三江線が寄り添うように走る江の川についてです。
次の日記はコチラ


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